後輩の話

私にも後輩というものがいる。

今日はその後輩のことをふと思い出したのでここで話そうと思う。

その子のことをここでは

Rちゃんと紹介させてもらう。

Rちゃんは部活の後輩で、背が低く可愛らしいイメージの女の子だった。

私たちの時代はSNSでの交流を避けての生活というのはさながら無理な話だったので、

特別仲が良い、悪いではなく「生活の一環」としてRちゃんともSNSのアカウントをお互いフォローし合っていた。

Rちゃんと私は二つ学年が離れているので一緒に活動する期間は短かったが

生活の一環として取っておいたSNSで今でも彼女の生活を覗くことができる。

Rちゃんは今、高校を卒業し大学へ通っているらしい。SNSでは都会のよく分からないフレンチやら、期間限定の甘そうな飲み物なんかを頻繁にあげていた。

今年の秋頃だったろうか、彼女のSNSに変化があった。

深夜2時、暗い店内にキラキラと眩しいミラーボール、派手な髪色の殿方たち。

私自身行ったことがないのでなんとも言えないが、きっとホストクラブなんだろう。

なんでか分からないが心が冷たくなった。

特別に仲が良いわけでもないのに、なぜ私はこんな気持ちになるのだろうか。心が空っぽになってそこには何も無いただの空き地を見ているような気持ちになった。

それからRちゃんのSNSは毎日夜遅くに、更新されるようになっていった。

Rちゃんは風俗を始めた。

私にはわかった。同業の勘と言うやつかもしれないが、私は人は仕事や幸福度やその他諸々のことで顔つきが信じられないぐらい変わるものと思っている。

私は悲しかった。ただただ悲しかった。

自分が風俗という出口の見えない暗闇に堕ちて、いつまでも抜け出せずに居るから重ね合わせてしまったのか、否か

私には分からない。ただ悲しいのだ。

Rちゃんはホストクラブでどんな話をしているのだろうか、自分を犠牲にしてまで人から欲しい言葉や、行動や態度なんかがあったのだろうか

何故か虚無感に駆られてこの文を書いてしまうほど、私は悲しかったのだ。

最初にお話した通り、特別仲が良いわけでもないのにこのように人に感情移入して自分まで訳が分からなくなってしまうことがよくある。

今年はあと一ヶ月足らずで終わる。

何も入らない鞄

今週のお題「カバンの中身」について書こうと思う。

私はあまりカバンにこだわりは無い。特に好きなブランドや形がある訳でもなく、必要最低限のものが入ればいいと思っている。

私が18になった頃、コロナの影響で高校生の時から働いていたアルバイト先で突然の解雇。

行き着いたのは、デリバリーヘルス。いわゆる風俗だ。

私自身が人生において大事なものは金銭と信頼関係だと思ってたので、さほどその仕事を特別に苦痛と感じることは無かった。

特別に、感じないだけであって我慢は少々では無かったと思う。

その行き過ぎた「我慢」の対価としての金銭だと思っていたし、その金銭を使うことでそれが解消されるのであった。

初めて1日で新卒の月給ほどお手当てを頂いた日があった。

自分になにか、ご褒美を買おう。

コスメ、服、ちょっと贅沢なケーキ、旅行、ふわふわのぬいぐるみ

若い私には溢れるほどの物欲があった。

「あ、鞄」

カバンを買うことにした。

お財布すらも入らない。ただただ一目惚れしたねずみ色の鞄。

今も私の我慢が詰まって、未だに何も入らない鞄。

私というもの

私は「わたし」というものがよく分かっていない。

分かっているような気がしているだけで、実は分かってない。物の好みや、性格や、得意不得意も分からない。

やろうと思えば..という仮定理念でこの人生を過ごして来たからだと思う。

例えば嫌いな食べ物も、工夫して食べれば好きなのかもしれない。と言った具合で私は自分のことを理解していない。

時たま自分が本当に人間なのかどうか。という問いにぶち当たる。それも分からない。

この世は分からないことだらけだ。そして分からないで解決してしまう、薄っぺらな自分が大嫌いだ。