何も入らない鞄
今週のお題「カバンの中身」について書こうと思う。
私はあまりカバンにこだわりは無い。特に好きなブランドや形がある訳でもなく、必要最低限のものが入ればいいと思っている。
私が18になった頃、コロナの影響で高校生の時から働いていたアルバイト先で突然の解雇。
行き着いたのは、デリバリーヘルス。いわゆる風俗だ。
私自身が人生において大事なものは金銭と信頼関係だと思ってたので、さほどその仕事を特別に苦痛と感じることは無かった。
特別に、感じないだけであって我慢は少々では無かったと思う。
その行き過ぎた「我慢」の対価としての金銭だと思っていたし、その金銭を使うことでそれが解消されるのであった。
初めて1日で新卒の月給ほどお手当てを頂いた日があった。
自分になにか、ご褒美を買おう。
コスメ、服、ちょっと贅沢なケーキ、旅行、ふわふわのぬいぐるみ
若い私には溢れるほどの物欲があった。
「あ、鞄」
カバンを買うことにした。
お財布すらも入らない。ただただ一目惚れしたねずみ色の鞄。
今も私の我慢が詰まって、未だに何も入らない鞄。